かたちゃんのインドネシア空間





セルバンテス


「ドンキホーテ」(牛島信明訳・岩波文庫全6巻)

 ドン・キホーテと聞くと、風車を巨人だと思い込んで突進していく喜劇の主人公ということは誰でも知っているけれど、最後まで読んだこと人は少ないのではないかと思います。「あなたは、ドン・キホーテみたいな人ですね。」と言われたことがきっかけで読んだ本でした。全6巻を読み切るまでに、途中の足踏み期間を入れて数ヶ月を要しました。

 スペインの作家セルバンテス(1549−1619年)の作品です。中世の騎士道物語を読み過ぎて現実と物語の区別がつかなくなった主人公アロンソ・キハーノが、世の中の悪に立ち向かうため、自分を騎士ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャだと思い込み、ボロボロの甲冑に身を固め、やせ馬ロシナンテにまたがって、従士サンチョ・パンサを従えて遍歴の旅に出る物語です。

 物語では、ドン・キホーテの大真面目な考えと行動が周りの人を何度となく困らせたり、辟易させたりしますが、ほとんどの場合、自分やお供のサンチョ・パンサが痛い目に会います。ドン・キホーテはホントに純粋で好感の持てる情熱ある理想主義者として描かれていると思います。会話の妙というか、掛け合い漫才のような場面も多く、正直、面白かったです!そして、現代にも通じるところが多々あると思います。

 この本が大好きになったので、去年(2009年)の5月、松本幸四郎がドン・キホーテ、松たか子が「アルドンサ」を演じたミュージカル「ラ・マンチャの男」を大阪で見ました。松たか子って、凄い役者ですね。歌も上手だし、舞台での体当たりの演技は、テレビでは絶対見られない素晴らしいものでした。